2022年1月31日月曜日

『車輪の国、向日葵の少女』内容を含む感想

 ”万物は流転する。そこに多少の善悪があろうとも、今日も太陽は東から昇ってくる。まるで、車輪のように・・・


泣いたエロゲを募集して教えていただいたタイトル。

ご紹介いただきありがとうございます。


舞台はとある国の四方を山に囲まれた田舎町。

主人公の森田賢一は特別高等人と呼ばれる年間10人ほどしかなることのできない職業の最終試験としてその町に訪れる。

最終試験の内容は罪を犯し義務を負った3人の女の子の監督を行い更生させ義務を解消することであった。


作品に惹かれるのにそう時間はかからなかったです。

森田賢一が特別高等人を目指す経緯は?

賢一を指導する特別高等人法月の狙いは?

義務を負う3人の過去は?

賢一が時折口にするあんたの正体は?

などが気になりました。ライターが終盤どんな謎を明らかにしてくるのかを推理妄想することをエロゲの楽しみの1つとしていたので、その点バッチリでした。

最後までいい意味で予想を裏切る展開の連続で非常に楽しめました。


・さち

この手の快活ヒロインは好みに合わないことが多いのですが、彼女のまなに対する並々ならぬ想いに触れていくうちに尊敬の念を感じるキャラでした。

どんなに暗い状況でも元気に気さくに話す自分の苦手なパワフルさに救われるようなシーンもありました。

EDが途中で終わり”ふざけるな”と物語が続く演出は良かったです。

まなを取り戻せていないのにEDってそんなのありかよって。

でもNext chaperが出現するという。BAD ENDでもなくまなを救えないのが正史。ライターの特徴なんでしようね。すっきりさせない最悪のEDで最高でした。

afterのさちとまなの再開のシーン。まな奴隷として買われたはずでは・・・。あれ、とっつぁん???


・灯花

この手の真面目でドジで優柔不断なヒロインは好みに合わないことが多いのですが、彼女の親権者京子さんの心の弱さを受け入れ、最終的には自分で決断できるようになる姿に心を打たれました。

彼女の無垢で弱弱しい姿は嗜虐心をくすぐるものがあり、からかわれて輝くタイプだと思います。

イマイチなツンデレ、感情が高ぶった時に出る物騒な言葉、笑えないギャグがなければもう少し好みだったのかもしれませんがそれには原因があったので後述。

afterの実の両親との再会。うるさい口はキスで黙らせるのに限る。しかしかけられてきた電話は優しい両親を演出する代行サービスでは・・・とっつぁん!??


・夏咲

この手のおどおどしてはっきりとモノを言えない根暗なヒロインは好みに合わないことが多いのですが、彼女の話が一際心が乱れ涙を流しました。

幼い頃の夏咲めちゃめちゃ可愛くないですか。可愛い。過去回想はドキドキした。それからドキドキしっぱなしだった。きっと理想の幼馴染みのいる学校生活ってこんな感じ。きっとそのイメージで話を書いてたんじゃないかと思う。

笑顔の似合う献身的な女の子は効く。

恋愛をしてはいけない義務を負う身でありながら健を好きでいること、それが健の試験の妨げになること、それでもそばにいて欲しいと強く願うこと。

彼女の義務解消は本当に八方塞がりだったと思います。不憫で苦しかった。

法月の前で向日葵のような笑顔でケンに対する好意を堂々と伝える姿に感極まりました。

自分にとっての車輪の国はけんちゃんとなっちゃんの純愛です。


・璃々子

G戦場の魔王をプレイ済みだったので、賢一の言う"あんた"はプレイヤーのことではないだろうとは思っていたが姉であることには気づけなかった。細かく伏線はっててすげぇ・・・。

灯花の性格を捻じ曲げた元凶はこの人でした。ハードSかな?

達観している年上ヒロインはよく効く。

お姉ちゃんって弟の貞操を奪う存在なんだな、姉もちに嫉妬するよ。

許せねぇ・・・。

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